2023年02月24日

AMR対策:元厚生労働大臣 塩崎恭久先生の寄稿とスピーチ

本日24日(金)付の日経新聞経済教室「私見卓見」欄に、元厚生労働大臣の塩崎恭久先生のAMR(薬剤耐性)に関する記事が掲載されていました。塩崎先生には予てより、日本リザルツの活動についてご指導とご鞭撻をいただいております。
日本リザルツは結核終息に向けたアドボカシーをしています。結核においてもAMRは深刻な問題です。毎年2万5千人を超える子どもたちが薬剤耐性結核を発症していると言われており、多剤耐性結核(MDR-TB)や超多剤耐性結核(XDR-TB)は喫緊の課題です。
記事の中で、塩崎先生はAMRの死亡数が、エイズやマラリアの死亡数を上回っていることや、高齢化社会の日本においては抗がん剤などの抗生物質が効かなくなるなどの問題があることを説明。「全ての人に良質な医療を安価で届ける」という日本がグローバルに推進している取り組みを脅かす恐れがあることを指摘しています。
塩崎先生はコンセンサスとして2つの解決策を提案されています。1つはプッシュ型:研究開発コストを支援する補助金のこと、もう1つはプル型:新薬の承認を取得した場合に得られる報酬を高める補助金です。具体的にプッシュ型については、抗生物質の研究開発を促進する産官学組織「CARB-X」へ日本が参加すること、プル型については日本政府によるモデル事業の実施を挙げられていました。そして、G7に向けて議長国である日本がAMR対策について世界をリードしていく必要があると締めくくられていました。

また、塩崎先生は、今週の火曜日に行われた「AMR(薬剤耐性)とパンデミック時代のUHC」と題するシンポジウムにおいても、AMRに関する基調講演をされました。
そのスピーチが非常に説得力があるものだったので、こちらもご紹介させていただきます。

スピーチですが、元厚生労働大臣としてのご自身の取り組みを踏まえたAMR対策に関する議論の変遷をもとに課題を指摘。その上で具体的な行動指針についてまで言及されています。


冒頭では新型コロナパンデミックの経験を踏まえ「UHCは平時だけでなく、保健緊急事態にも不可欠」とし、「強靭な保健システムの構築は、パンデミックやAMRを予防し、準備し、対応するための前提条件だ」と、UHCとパンデミックの因果関係について述べています。

ここでは昨年改定された日本の「グローバルヘルス戦略」にも触れ、パンデミックPPR(予防、準備、対応)の強化とUHCの達成という2つの目標に賛同しつつも、AMRがまだ十分に認識されていないことへの懸念を示しています。Lancetのデータ、2019年には500万人近くがAMR関連の疾病で死亡すると推定を引用し、UHCとパンデミックだけでなく、UHCAMR、パンデミックの相互関連性についての共通認識を新たにしようと呼びかけています。


塩崎先生によると、転機は2014年〜15年だったそうです。当時の世界の政治指導者であるイギリスのキャメロン首相、アメリカのオバマ大統領、ドイツのメルケル首相が AMRを初めて重大な懸念事項として認識。塩崎先生も厚生労働大臣として、WHO世界保健総会においてAMRに関するグローバル・アクション・プランが発出に携わり、ワンヘルスアプローチに基づく国家行動計画の策定が各国に求められるようになりました。これを受けて、2016年の伊勢志摩サミットでは、厚生労働大臣として、AMRを三大健康課題の1つに取り上げられたそうです。


ただ、塩崎先生はAMRに関するグローバル・アクション・プランの進捗は限定的だと指摘されています。塩崎先生は5つの戦略(意識、監視、衛生環境の向上、管理運用、研究開発)のそれぞれを説明した上で、現状の課題についても触れられていました。さらに直近の国際会議も踏まえ、近年AMRの範囲が広くなっていることにも言及されています。そして、「AMRは、もはやスロー・パンデミックでも、サイレント・パンデミックでもない。いつ本当のパンデミックになってもおかしくない」と警鐘を鳴らしました。


塩崎先生は政府による適切かつタイムリーな公的介入が必要だとしています。現在約170か国がAMRに関する独自の国家行動計画を持っているが、資金調達のための予算枠がある国は、全体の20%程度に過ぎず、これが世界のAMR対策が遅々として進まない理由だそうです。これはコロナ禍で明るみになった「経済成長VS健康」という点も踏まえ、しっかり議論する必要があると訴えています。

また、塩崎先生は「しっかり準備すればパンデミック時にコストがかからないことはコロナで学んだ」とし、2024年のAMRに関する国連総会ハイレベル会合に向けた具体的な解決策についても触れています。@インドのG20のプロセスにおいてもAMRを議題とすること、AG7G20が協調して取り組むこと、B強力な世界政治のリーダーシップが必要なので連携が必要、とし、「世界の皆で、AMRのない世界への道が開けるでしょう」と皆さんへの協調を呼びかけています。


下記リンクより塩崎先生のスピーチの全文はご覧いただけます:

一連のスピーチからは塩崎先生のこれまでの経験に基づいた示唆に富むお話が沢山ありました。特に、グローバル・アクション・プランの策定からG7伊勢志摩サミットでAMRが主要議題として扱われたというくだりについては、先生が最前線で奮闘されていた様子がありありと伝わってきて、こちらも胸を打たれました。

政界引退後も、日本に留まらず世界においても、国際保健分野の推進にご尽力されている塩崎先生。改めて、心から感謝申し上げたいと思います。


日本リザルツも3月5日(日)に、GGG+フォーラムを開催します。AMRやUHCについても議論がなされる予定です。
現在、インターン生が中心となって準備を進めております。1人でも多くの皆様に会場でお会いできることを楽しみにしております。

そのっち feat. (ぽ)
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G7財務大臣・中央銀行総裁会議:ウクライナ支援への声明発表

G20財務大臣・中央銀行総裁会議が、インド南部のベンガルールで24日から開かれます。

会議を前にG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれ、2023年のウクライナに対する財政経済支援を総額390億ドルに増やすことで合意をしました。

G7財務大臣・中央銀行総裁会議に関する情報(財務省):

今年のG7で日本は議長国を務めます。G20を前に開かれたG7の会議には鈴木財務大臣と日銀の黒田総裁が出席し、ウクライナのマルチェンコ財務相もオンラインで参加しました。ロシアによるウクライナ侵攻から今日で丸1年となるのを前に、会議では共同声明が採択され、ウクライナへの支援の継続とロシアへの制裁をG7が結束して行うことを再確認したそうです。


ロシアのウクライナに対する侵略戦争とその世界経済への影響に関するG7 財務大臣・中央銀行総裁声明(仮訳)はこちらを参照:

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/convention/g7/g7_20230223_1.pdf


声明の仮訳を見てみましょう。

まず、冒頭では「法の支配と国連憲章の原則に対する攻撃でもある。戦争開始から 1 年を迎える前日に、我々は、ウクライナに対する我々の揺るぎない支援と、ロシアの侵略戦争並びにそれに起因する悲劇的な人命の損失及び財産の破壊を非難することへの結束を再確認する」とかなり強い言葉でロシアの侵攻を非難しています。

その上、ウクライナ政府のニーズに基づいて、財政・経済支援のコミットメントを 390 億米ドルに増加させ、インフラの復旧や経済の安定、それに自国の防衛などの取り組みにあててもらうとしています。


声明では、国際金融機関との連携についても触れられていました。

―――

3.…(前略)我々は、IMF とウクライナに対し、2023 3 月末までに、信頼性のある、野心的で、十分な資金供給と適切な条件を伴うIMF プログラムを実現するよう求める。


4.…(前略)ウクライナに対して多額の支援を行うための世界銀行グループ(WBG)による重要な取組を認識する。我々は、国際金融公社の業務と、多数国間保証機関によるウクライナにおける民間投資を支援するための新たな信託基金の立ち上げのイニシアティブを歓迎する。


5.我々は、複数の機関から成るドナー調整プラットフォームを通じたものを含め、ウクライナの重要インフラの修復、復旧及び復興を支援し貢献するための共同の取組を継続する。また、我々は、世界銀行グループや欧州復興開発銀行、欧州投資銀行を含む関連する国際金融機関と緊密に連携する。

―――


日本リザルツは予てより「機動的な予算編成」アドボカシーを実施しています。

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G7財務大臣・中央銀行総裁会議は今年5月、新潟市で開かれます。今回の声明を受けて今後日本や各国でどのような対応がなされるのか、引き続き注視していきたいと思います。

(ぽ)

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2023年02月22日

雅子プロジェクトを胸に刻んで

3年前の2020年2月25日、白須理事長は、秋野公造参議院議員と共に北海道の岩内町を訪問しました。
訪問の模様(ブログ記事より):http://resultsjp.sblo.jp/article/187185938.html

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訪問の目的は、岩内町の元町会議員である齋藤雅子さんの名前を称した「雅子プロジェクト」を立ち上げるためでした。
きっかけは、2019年11月11日に、齋藤雅子さんが日本リザルツの白須理事長のもとに訪れられ、スナノミ症に関する新聞記事の切り抜きの束を見せながら、スナノミ症対策への思いを語られたことです。その熱意に非常に感銘を受けた白須理事長との交流が始まりました。
折しも、秋野議員の国会質疑を契機として、WHOがスナノミ症を「顧みられない熱帯病」の一つに認めるという見解を表した直後のことでした。

スナノミ症対策強化(ブログ記事より):http://resultsjp.sblo.jp/article/186808895.html

こうしたご縁もあり、連携してスナノミ症対策を加速しようと準備を進めていた折、翌年の1月3日に雅子さんが不慮の事故でお亡くなりになりました。
そこで、雅子さんのスナノミ症根絶への思いを引き継ごうと、秋野先生と白須理事長、ご遺族が中心となり「雅子プロジェクト」を立ち上げたのです。日本リザルツが3月3日を「世界スナノミの日」に制定することを目指してアドボカシー活動を続けてきたのは、問題に関心を持つ方の輪を少しでも広げていこうとする雅子さんのご遺志を引き継いでいくためでもあります。KIMG0364.jfif

スナノミ症が「顧みられない熱帯病」の一つとなったことで、国際社会において以前より認識が高まりつつあります。しかし、現地の実情や患者の声は世界に届けられておらず、草の根レベルでの治療を行っている団体はほとんどないのが事実です。
私が日本リザルツで働き始め、スナノミ症について知ったのは11月11日のことでした。これはちょうど3年前、雅子さんが日本リザルツオフィスに訪れた日と一緒です。奇遇かもしれませんが、私がケニア現地でのスナノミ症治療に携わる機会を頂いたのは、これを機に、さらに日本や世界の沢山の人を巻き込みながらスナノミ症根絶を目指していってほしいという、天国からの雅子さんのメッセージのようにも感じています。
単身でケニアに赴き、治療活動を行うということに対し、正直なところ不安も感じています。しかし、一人の切実な思いが、沢山の人を巻き込んで大きな目標を具現化していくことができるということを雅子さんは教えてくださいました。雅子さんのバトンを受け継ぎ、一人一人の患者さんに寄り添ってキャンペーンを行うことで、現地の皆さんが元気に笑顔で暮らせるようお手伝いをしたいと思っています。また、現地の活動の様子や実情を日本中、世界中の人に知ってもらい、スナノミ対策がより推進されるよう、今の自分にできることを精一杯注ぎ込んで活動に励んでまいります。今回のキャンペーンでは、スナノミに有効な治療法を広め、現地の人が主体となって意識的にスナノミ症根絶に取り組めるよう、普及啓発活動を中心に行います。

尚、スナノミ症治療のためのクラウドファンディングが95万円を超えており、目標額の100万円まであと一歩のところまで来ました。
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しかし、世界的なスナノミ症対策推進のためには、さらに多くの人の関心と支援が必要です。是非、皆さんのお力添えをいただけますと幸甚です。どうぞよろしくお願いいたします。


(おすぎ)
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2023年02月20日

新・機動的予算ペーパー/ヘルス・イノベーション推進(案)ペーパーが完成!

寒さに負けずにアドボカシーの熱戦を繰り広げている霞が関の魔法使いどーら。今日は、出来立てのペーパーをご紹介させていただきます。

1.機動的な予算確保(案)ペーパーの最新版について

日本リザルツは予てより、ODAや国際協力に関して「機動的な予算確保」ができるよう、アドボカシーを続けてきました。

210日、日本政府は「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。今回の法案改正により、ウクライナの復興支援や将来の公衆衛生危機への対応強化にも世銀の設立する基金には拠出国債が使えるようになり、よりフレキシブルな資金調達が可能となります。


「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」について(財務省):

https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/211diet/i20230210g.html


そこで最新の情勢を反映し、ペーパーを刷新。

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通称、新・積み木ペーパーが完成しました。


昔のものと経緯についてはこちらのブログを参照:

http://resultsjp.sblo.jp/article/190175734.html


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積み木が右バージョンのものもあります。


法案はすでに提出されており、将来のパンデミックへの対応強化を図るためにも、今国会で前向きに議論が進むことを期待しています。



2.ヘルス・イノベーション推進(案)ペーパーについて

G7広島サミットが近づき、その中で保健分野についても闊達な議論がなされることが見込まれます。そこで日本リザルツでもUHCのためのヘルス・イノベーション推進(案)ペーパーを作成しました。


岸田総理のランセットはこちらを参照:

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page1_001483.html



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UHCの象徴、傘がモチーフになっています。ポイントは医薬品の開発から安定供給に加え、「貧困層のアクセスとアフォーダビリティの向上」が保健システムの強靭化とUHC達成の鍵になるという部分です。


尚、こちらの件については先週、公明党国際保健(グローバルヘルス)推進委員会の古屋範子委員長、谷合正明委員長代理の同席のもと、GHITファンドの國井修CEOから秋野公造財務副大臣への申し入れを行ったばかりです。


その時の様子はこちらのブログを参照:

http://resultsjp.sblo.jp/article/190182947.html


G7は今年5月。こちらについても今後の動向をしっかりチェックしていきたいと思います。

(ぽ)

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2023年02月19日

トルコ・シリア大地震:現地と周辺諸国は…

トルコ南部のシリア国境付近で今月6日に発生した大地震から2週間近くが経過しました。トルコとシリアの両国で46,000人以上の死亡が確認されています。

国連などは反政府勢力などの影響でこれまで十分な支援が行き届いていなかった地域への支援を拡大しています。


意外かもしれませんが、トルコやその近郊は日本同様、地震大国です。大小のプレート(岩板)が複雑にひしめき合うため、各地でマグニチュード7級の地震が発生しています。

詳細はこちらを参照:

https://news.yahoo.co.jp/articles/061601b7507e8a359c02289e74826b593091392a

こうした中、JICAイラン事務所の田中理所長から現地での活動について、情報をいただきました。今年、1月28日にイラン北西部でM5.9の地震が発生し、およそ13万人が氷点下の気候の中で、現在も避難生活を続けています。JICAではこうした人たちのために5,500枚の毛布を提供したそうです。

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在イラン日本大使館のインスタグラムはこちらを参照:

https://www.instagram.com/p/CozloVNuBy-/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D


田中理所長とのお付き合いは遡ること10年近く前になります。日本リザルツは国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のアドボカシーのお手伝いをしています。その際、JICAからUNRWAにへ出向されていた田中理上級対外交渉官(当時)がガザを含めた現地での調整を統括してくださいました。毎年3月、東日本大震災に合わせて始まったガザと釜石をつなぐ凧揚げは今も続いています。

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パレスチナでの凧揚げの様子:

http://resultsjp.sblo.jp/article/63676369.html

2014年のUNRWA事務局長訪日の様子:

http://resultsjp.sblo.jp/article/104826458.html

パレスチナの夕べの様子:

http://resultsjp.sblo.jp/article/104874470.html

凧揚げの様子:

http://resultsjp.sblo.jp/article/114664726.html

日本・パレスチナ友好議員連盟の様子:

http://resultsjp.sblo.jp/article/155314628.html

パレスチナ報告会「ガザ〜紛争から1年」の様子:

http://resultsjp.sblo.jp/article/156273143.html


日本政府にも動きがありました。林芳正外相は16日、トルコとシリアに対して、計約2,700万ドル(36億円)の緊急人道支援を実施すると発表しました。

報道はこちらを参照:

https://news.yahoo.co.jp/articles/1fbfbc7e1e2fdfa3fb6f346d80d8f1274df4de61


ただ、今後避難生活が長期化するため、衛生環境や治安の悪化などが懸念されています。

課題についてはこちらの報道を参照:

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230217/k10013983581000.html

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230218/k10013984191000.html


また、UNRWAが活動する地域も含め、今回の被さい地の近隣諸国や地域では混乱が続いています。今後、こうした地域への支援にも影響が出てくる恐れがあります。

日本リザルツでも引き続き、動向を注視していきたいと思います。

(ぽ)

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2023年02月18日

パンデミックの教訓をあらゆる感染症に活かせ

本日の日経新聞32面に、昨年末の第9回日経・FT感染症会議で行われたワクチン開発に関するセッションの模様が掲載されていました。

モデレーターは、昨年6月に秋田で開催したGGG+フォーラムでもご発言いただいたファイザー株式会社の和田耕治先生が務められていました。


GGG秋田の様子はこちらを参照:

http://resultsjp.sblo.jp/article/189618507.html


日本リザルツに馴染みのある方々もパネリストとしてご発言されています。

昨年8月に開催したTICAD8プレイベントでご発言いただいた東京大学医科学研究所の石井健教授は、「G7の国々が必要量の300%のワクチンを購入する一方、必要量の20%も入手できない国がある」と、ワクチン供給格差に警鐘を鳴らされました。石井教授は、薬剤耐性菌、結核、マラリアが今後拡大することを念頭に、新たなイノベーションへの期待にも触れられていました。

TICAD8プレイベントの様子はこちらを参照:

http://resultsjp.sblo.jp/article/189769821.html


また、GHITファンドの國井修CEOは、投入予算が少ないことから、治療薬やワクチン開発の成功率が低くなっていることを、結核の根絶が今のペースだと150年かかるという事例を引き合いに紹介されていました。その上で、ワクチン開発後のワクチンへのアクセス、デリバリーにおけるイノベーションが不可欠であることを訴えられていました。


折しも、日本リザルツは、GHITファンドの國井CEOをはじめ、公明党国際保健(グローバルヘルス)推進委員会などと一緒に、秋野公造財務副大臣にGHITファンドへの増資に向けた要望書を手交したばかりです。


要望書手交の様子は下記ブログよりご覧いただけます:

http://resultsjp.sblo.jp/article/190182947.html


お二人の先生に共通していたのは、感染症の課題の中でも、「結核」を取り上げていた点です。新型コロナ収束に向けて動員された資金や熱量を結核にもで用いることはできないのでしょうか。本年9月にインドで開催されるインドのG20の主要議題は結核です。コロナパンデミックの教訓を最大限、結核対策に活かせるよう、アドボカシーを推進してまいります。


そのその

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2023年02月17日

酸っぱいだけじゃない!?お酢に秘められた力

2023年2月24日付公明新聞4面 

みなさん、「お酢」と聞くと、何に使うものだとイメージしますか?

単純に料理の調味料として使う、油っぽい料理をさっぱりと味変させる…こんなところかと思います。


私もこれまでお酢を、調味料として使う、罰ゲームのお酢うどんに使う(笑)程度でしか使用してきませんでした。

それ以外では、洗濯に使うといいという話を聞くくらいでした。


しかし、2023224日付の公明新聞4面に掲載された食と健康アドバイザーの南恵子さんの寄稿を読み、お酢に対する印象が、ガラッと変わりました。お酢には様々な効能があるようです。


記事によると、お酢には、酸味をつけるという「味」に関係した役割はもちろん、野菜の変色や色褪せを防ぐという「色」への効果や、煮崩れ防止を防ぐという「見た目」への効果があるそうです。また、デンプンを多く含むジャガイモ・レンコンといった食材を炒める際に使うと食材がシャキシャキになったり、卵白の泡立ちをよくしてケーキをふんわり仕上げたりするといった「食感」への効果もあるそうです。


お酢に、こんなにたくさんの効果があるとは夢にも思いませんでした。

最強調味料のお酢にキッチンが占拠される日が来るかもしれません。


日本リザルツでは栄養改善にも取り組んでいます。おいしく楽しく栄養改善を行うというのは効果的なアプローチだと思います。一つ一つの食材に関する知識を楽しく学習することも必要かもしれません。お酢は健康にもいいため、最近日本リザルツでも注目している昆虫食に利用できないかなど、アイデアをわかせていきたいです。


私自身も料理が好きで、よく台所に立ちます。ブログを書いてる間に、料理にお酢を使いたくてうずうずしてきました(笑)自分でもお酢の特長を試してみたいと思います。


くーぱ

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日経新聞コラム「サッカー人として」:三浦知良選手の「原点」

本日の日経新聞のコラム欄に、「キングカズ」の名で親しまれている元日本代表の三浦知良選手の記事が掲載されていました。
白須理事長は、三浦選手には何度かお会いしたこともあるそうで、いつもおしゃれで爽やかな雰囲気を放っておられる方(白須評)とお聞きしています。ストップ結核パートナーシップ(STBP)のチャンピオンであるハローキティの記念品や、STBP親善大使であるサッカー元ポルトガル代表のルイス・フィーゴ選手のポスターをお渡しするなどのつながりがあるそうです。白須理事長の交友関係の広さには毎回驚かされます。

三浦選手は2月にポルトガル2部のオリベイレンセにレンタル移籍しました。なぜポルトガルを選んだかというと、選択肢の中で一番大変であることは目に見えているが、あえてそこに身をおくことで、若き日の最も苦労した原点に立ち返ることができるからだそうです。

「サッカー人として生きていくなら、人間として一番成長できるのはおそらく、一番苦労する道なんだ。僕は恵まれているよ、苦労ができるんだから」

三浦選手のこの言葉が印象的でした。きっと、これは「サッカー人」だけではなく、何かに挑戦しようとしている全ての人に当てはまるのではないかと思います。
私自身、高校時代は、親元を離れて厳しい規則のある寮で集団生活を送りながら3年間を過ごしました。朝は6時起き、門限は18時。どこに行くにも外出届の申請が必要で、携帯電話すら持たせてもらえませんでした。通学している同級生がたくさん遊んでいる中で、どうしてこんな牢獄のようなところで青春時代を過ごさなくてはならないのかと一番苦労する道を選んだ自分に当時は何度も後悔していました。しかし、今となっては、そうした葛藤と悩みの連続の日々が、困難に直面したときに立ち返れる「原点」になっています。

三浦選手のように、苦労する道を自ら進んで選び続ける姿勢をこれからも持ち続けていきたいです。

(おすぎ)

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秋野財務副大臣へGHITファンドの増資について要請

2月14日、GHITファンドの國井修CEO、山部清明COO、関一恵ディレクター、東京財団政策研究所の渋谷健司研究主幹、日本リザルツの白須紀子理事長、インターンの杉原と渡邊の7名で財務省を訪問しました。
GHITファンドの増資について、公明党国際保健(グローバルヘルス)推進委員会の古屋範子委員長、谷合正明委員長代理の同席のもと、國井修CEOより秋野公造財務副大臣への申し入れを行いました。

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16日付の公明新聞で掲載していただいております。
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GHITファンドは、三大感染症やNTDs(顧みられない熱帯病)などの治療薬、ワクチンの開発を支援する日本初の官民ファンドです。今回は顧みられない感染症への研究開発を加速させるため、G7広島サミットで日本政府に拠出表明してもらうことを要請しました。秋野財務副大臣は、外務省、厚生労働省と連携しながら協議を進める必要があると仰っていました。

日本リザルツは国際保健の分野で官民学の連帯を推進しています。顧みられない感染症の脅威にさらされている人々が公正にアクセスできるヘルスシステムが構築されることを望みます。

Watagashi

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2023年02月16日

公明党・浜四津敏子代表代行が死去

公明党は元参議院議員で、環境庁長官や党の代表代行などを務めた浜四津敏子先生が、3年前に75歳で亡くなっていたと発表しました。

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浜四津先生は弁護士出身。平成4年の参議院選挙に東京選挙区から立候補して初当選し、参議院議員を3期務めました。平成6年に羽田内閣で環境庁長官として初入閣。再結成された公明党では、党の代表代行を務められました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230216/k10013982601000.html


浜四津先生には、国際連帯税の推進や結核の抑止などに多大なお力添えをいただきました。15年ほど前、当時まだ関心の薄かった、結核抑止に関する取り組みに関心を示して下さったのが、浜四津敏子先生でした。浜四津先生のご協力のもと、白須理事長が結核・エイズ活動家の故ウィンストン・ズルさんと一緒が故安倍総理(当時)を表敬したのは2007年のことです。

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これがきっかけとなり、ストップ結核パートナーシップ推進議員連盟が発足。日本における結核抑止の取り組みが加速し、2018年のUN-HLMで結核が議題となった際に日本は共同議長となり、結核終息に向けたリーダーシップを取る存在になりました。TB-LAMPは世界各国に普及が進み、私が赴任するケニアでも国を挙げて導入を進めるなどの成果が出ています。

http://resultsjp.sblo.jp/article/52019239.html


浜四津先生は、3年前の11月に75歳で亡くなっていましたが、遺族の意向で公表していませんでした。了解が得られたとして16日、公明党が発表しました。


本当に困っている人の声に耳を傾け、その人たちに寄り添った政策づくりを国政を通じて体現されていた浜四津先生。不妊治療の保険適用の推進や女性の人権問題などに取り組み、平成16年の参議院選挙に比例代表で立候補した際には、全国で182万票余りを獲得するなど、女性を中心に非常に人気があったことも印象的です。先生が取り組まれていた「誰一人取り残さない社会」づくりをを少しでも進められるよう、白須理事長ともども地道に取り組みを進めてまいりたいと思います。先生のこれまでの功績に心から感謝するとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

(ぽ)

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