2024年10月31日

瑞穂仮設住宅訪問

能登町中心部よりかなり離れた場所に瑞穂仮設住宅がある。もう少し車を走らせると穴水町に入ってしまう。山と山をぬって国道249号線が通っている、のどかな場所である。人の気配はなく、静かな山里に来た感じがする。仮設住宅も12戸と小規模である。その割には駐車場には車が沢山、止めてあり「今日は在宅者が多いかも?」と期待する。

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気持ちを引き締めて訪問開始。私も能登町の住人だが、さすがにこの辺りの方々とは面識がない。ちょっと緊張する。「笑顔!笑顔!」「何も悪いことをしてる訳ではないんだから・・・」でも、今日の私は何だかいつもと違う。何か心にワダカマリがある。

仮設住宅訪問で「老眼鏡必要ありませんか?」 まずこう入って行くと、「売りに来た」と誤解される。「支援物資の老眼鏡をお配りしに来ました」と言っても・・・反応がいまいち。考えれば考える程、不審者? 言葉を尽くして説明しようとすれば、却って怪しまれるのかなあ、と自分で躊躇してしまっている。

でも、これまでメガネを差し上げた人はみんな喜んでくださった。必ず誠意は通じるはずだ、謙虚さを忘れずに行動しようと思い直す。
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1件目のお宅のチャイムを押す前に気を取り直してひと呼吸。そこで気が付いた。おや、プランターが各部屋の前に置かれている。

水やりをしたばかりなのか、地面が濡れている。そういえば、日本リザルツも東北震災の時に、アサガオの種を配ったと聞いた。仮設住宅にこうしてプランターで花を育てたりする取り組みはとても素晴らしいこと。今度は、アサガオを育ててもらうようにしよう。



(けいたん)




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2024年10月28日

第4回あさがおセミナー(11月5日)開催について

2025327日、28日に開催されるパリ栄養サミット(https://nutritionforgrowth.org/)まで、余すところあと5か月となりました。

東京栄養サミットでは、66の政府、26の民間企業、51の市民団体を含む181のステークホルダーから約400のコミットメントが提出され、計270億ドル以上の栄養関連の資金拠出が表明されました。

東京の成功と課題をパリにつなげるためにも、定期的にキックオフ会合をし、産官学民のステークホルダーが横断的にコミットメントの進捗と課題を議論することで、栄養サミットをより有意義なものにしたい、と日本リザルツは考えています。

その趣旨で、国際母子栄養改善連盟と共催で開催してきたこのあさがおセミナーも、次回第4回となり、いよいよ佳境に入ってきました。

1回 64日(http://resultsjp.sblo.jp/article/190925426.html

2回 79日(http://resultsjp.sblo.jp/article/190971865.html

(第3回(98日於金沢市)はGGG+フォーラム準備会議として能登半島地震における復興支援に関する議論を行いました)



4回は、115日に「食と栄養の課題解決:ビジネスセクターの役割」と題して、民間企業からの取組方針について伺う予定としています。議連の山東会長はじめ、官庁、企業の多くの方にご参加いただく予定です。

結果については、またブログにてご報告させていただきますので、お楽しみに。

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2024年10月23日

アフリカの発展のために何が必要か

1021日付日本経済新聞朝刊の1819面に「ナイジェリア新興テック特集」との記事が掲載されていました。

JICAと日本経済新聞社の共同イベントを記事にしたものですが、日頃目にすることのない、アフリカのスタートアップ企業の事業内容の紹介や、日本企業としてアフリカ経済とどう対峙するべきかが論じられており大変興味深く拝見しました。

特にキーノートセッションを抜粋した対談は、経済団体(経済同友会)、企業(豊田通商)、開発支援機関(国際協力機構(JICA))と、立場の異なるプレーヤーが、アフリカ投資をめぐる様々な論点をめぐって発言されています。

主な発言を紹介すると、

・アフリカのポテンシャルの大きさは日本の経済界も注目している。ただインフラの脆弱さや煩雑な規制といったリスクがあるうえ、歴史的にも地理的にも遠く投資が出てこない/(経済開発のためには)公的資金だけでなく、社会課題を解決するインパクト投資への出資が重要だ(経済同友会・岩井氏)

・スタートアップへの投資ならハードルは低く・・・日本企業にとってはスタートアップはエントリーチケットになりうる/人材育成やスタートアップ投資はアフリカの将来を支える大事な取り組み(豊田通商・大塚氏)

・アフリカで重視する項目の一つに社会課題解決型のビジネスの推進がある。社会課題に革新的な技術で向き合うスタートアップを支援する取り組みを19か国で進めている。若者の雇用を生み、経済成長に繋がる好循環を期待している(JICA・井本氏)

このようにアフリカ経済、とりわけ社会課題を解決するスタートアップに対する強い期待感が寄せられ、日本企業としてインパクト投資が必要なことが強調されています。

一方で、TICAD(アフリカ開発会議)を中心とする日本の官民連携の枠組みは、スピード感が乏しく、(サウジアラビアや韓国など)他国に劣後しているのでは?との課題が司会者から指摘されています。

これに対してJICAの井本氏は、TICADAU(アフリカ連合)との共催であり、「アフリカのオーナーシップ(自主性)を尊重しながら、様々なレベルでの交流を通じて多層的にアフリカと結びつくことが重要」で、日本企業の進出や投資を促しています。

日本リザルツも、過去にアフリカで日本企業と連携し、大きな社会課題である感染症予防のために活動を続けてきました。今後ともNGOの立場から、アフリカの成長、発展に関わっていきたいと思います。

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(のーびっひ)

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白丸仮設住宅を訪問して

20241022日・白丸仮設住宅訪問


海が見える少し高台の場所に仮設住宅は立っている。砂利道を車で登って行くと、ベンチにポツンと一人、お年寄りが座っていた。

私は車を止めて、そのお年寄りの側に近づき、横に座っても良いですか?と了解を得てから腰かけた。

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「私は耳が遠いから・・・」と私に教えてくれた。補聴器が片方に装着されており、声が届くように配慮し話しかけた。

「目の方は都合わるくありませんか」「老眼鏡はいりませんか」とゆっくり話させていただく。手を横にふられた。私が老眼鏡を売りに来たのかと勘違いされているかの様だった。無料配布のチラシを見せた。

見本のメガネを度数の軽い方(1.0)から合わせて行くとそれを掛けた途端、「あんたの顔、はっきり見えるわ」「文字もきれいに見える」と声を出し喜ばれた。

「こんな良いもの朝一番にもろて(もらって)今日は良い日や〜」と本当に喜んでもらえた。

そんな様子を見ていた住人が一人、二人と集まって来られ・・・必要な方にお渡しすることが出来た。部屋に閉じこもっている高齢者も外が騒がしければ気になり出で来られた。

一軒、一軒回っての見守り活動も必要だが、住人の皆さんの何気ない会話が交わせる場所作りも必要だと思った。


ベンチでポツンと座っていらしたお年寄りの周りにはいつの間にか、井戸端会議が始まっていた。

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(けいたん)
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2024年10月15日

三波公民館復興マルシェで老眼鏡配布

10月13日日曜日、秋晴れのとても清々しいお天気の中、老眼鏡をお配りするため、三波公民館の復興マルシェの会場に向かった。

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三波公民館の廊下に配布場所が用意されており、準備に取り掛かる。スタッフとして地域の方、一名にお手伝いを依頼すると快く引き受けて下さり、老眼鏡配布の手順を説明した。東京の方からも一名の応援があり、とても助かった。

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開場前から老眼鏡がお目当てのお客様がぞくぞくと集まり、列をつくり待っておられた。能登には高齢者が多く、老眼鏡が無料でいただけるとなると、皆さんが興味を示されるのも当然だと思う。

細かい文字が読みづらく行政からの大切なお知らせも見えづらかった。」と話された方もいらした。震災後の各手続きも億劫になったことだろう。

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また、困っていることなどないですか。と尋ねると屋根瓦や左官職人、大工等の修理業者が「見つからない」、見積りをお願いしてあるが「連絡がない」等の訴えが何件かあった。

老眼鏡配布の仕事をさせていただき感じたことは見えづらかった物が見えた時に発する言葉、「わぁ〜明るい。」「はっきり見える。」と笑顔になられる。その瞬間を目の当たりにして、私も幸せな気持ちになれる。やりがいにも繋がる。

長い行列も番号札を配布することでスムーズに流れるようになった。せっかく度数を測定したのに持参した眼鏡が足りず、お断りせざるを得なかった。あまりにもの人気に驚かされた。残念なお顔をされた方のお住まいをお聞きすると仮設住宅に住んでいるとのことで、仮設住宅訪問は今後の予定に入っていることを伝え連絡先をお聞きした。

このように、今回の配布作業では次回につながる宣伝にもなった。

また今後は、三波公民館で老眼鏡配布に協力して下さるとのことで、被災者の見守り、思いを聞く活動に賛同していただけることに感謝いたします。

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活動することで繋がりができ、仲間が生まれ協力体制が生まれる。本日の配布作業はとても忙しい思いはしたけれども学ぶべきこともあり大変、充実した一日だった。

今回の配布数は134本でした。 

(けいたん) 

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2024年10月10日

上町、岩井戸の仮設住宅を訪問

日本リザルツは、9月から能登町に拠点を設けて、老眼鏡配布などの支援活動を行っています。

本日は、新たに加わっていただいた地元出身職員の方の活動レポートをお送りします。

本日は9:00より活動開始する。上町仮設住宅の近くに上町公民館があり、そちらに立ち寄り挨拶する。館長さんが老眼で不自由な思いをされているとのことで、今回の配布に感銘された。度数合わせしお渡しする。仮設住宅は日中、仕事に行っている方が主で住人には会えないかも・・とのことであった。

1-1号室からスタートし軒並みに声掛けする。最初にお会い出来た方は、男性Aさん、笑顔で出てこられ、私の名札と顔を見るなり、「のど自慢に出てなかったか」とその当時、自分は落選したんや・・・から始まり話が盛り上がる。老眼鏡の話をすると大変、興味をもたれ度数合わせ実施「わぁ・・綺麗に見える」と喜んでいただけた。

通りがかりの男性Bさんより「静かに話しせんならんよ」と声掛けられた。静かな住宅地で大きな声で話をしていたのもあり、すぐにお詫びする。それと同時に、少し状況等を伺って感じたことは、ここで生活するにあたって、隣の方に気を使って生活されているということ、それに伴い過度のストレスが掛り、少し精神的に病んでいるのではないかと伺えた。それはその方の目つき、表情から少し違和感を感じた。健康福祉課の訪問が昨日、あったとも話されていた。今後は町が建てた住宅に住まわせてもらうしかない。と話しておられ。話相手がおらず一人暮らしであることもメンタルに影響するのだと思う。また、お話しに来ますね。と失礼する。

次のお宅では訪問時にベッドで休んでおられタイミングの悪い時に訪問したのかな?と思ったが、被さい者に「老眼鏡を配布して回っている。目に不自由はないか」と伺うと女性Aさん・・・「新聞もテレビもよく見えんからなんもみんよう(見ないよう)にしとる」と言われた。老眼鏡の無料配布で伺ったことを再度、お伝えすると「くれるがけ?(本当にくれるの?)」と興味を示された。度数を合わせお渡しすると大変、喜ばれ次の訪問先に私たちを誘導し紹介してくれる。

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男性Cさんの居住スペースにまで案内して下さり、お部屋で度数合わせしお渡しする。部屋まで入るとその方の暮らしぶりやまた写真などが飾られており家族構成も一目瞭然で掴めた。Cさん本人より「最近、めまいがするんや」との訴えがあり、持病はあるのかとの問いに糖尿病を患っているとのこと。寝ていて起き上がると頭がふらつくと言われ、起立性低血圧の疑いも考えられ、ゆっくりと起き上がるよう助言する。壁には薬の飲み忘れがないように日付ごとに仕分けされていた。男性Cさんを紹介してくれた女性Aさんとはとても仲良しとのことである。

次の訪問先では私の知り合いの名前が表札に書かれており、驚いたが久しぶりの再会に女性Bさんも驚いていた。老眼鏡配布の趣旨を説明し度数を合わせお渡しする。

次に訪問したお宅も私の知り合いであり、話をしやすく部屋の中にまで入れて下さり老眼鏡は持っておらず、今までは新聞等を読む時はルーペを利用していたとのことで、無償提供を本当に喜んでいただけた。足が悪いのに玄関先まで見送り何度もありがとうと言って下さった。

買い物に行って帰って来られた男性Dさんに声掛けする。老眼鏡は持っているが、作り直す予定だったとのことで大変、タイミングが良かったと喜んでいただけた。

上町仮設住宅34戸の内、お会い出来たのが6名でした。


次に向かったのが岩井戸仮設住宅 22戸である。

隣接する岩井戸公民館に御挨拶に行くと仮設住宅に住んでいる高齢者のおたのしみ会が行われていた。毎週木曜日に開催しているとのことで、その場をお借りして老眼鏡配布のお話をさせていただき、必要な方が順番に度数合わせをしてお渡しする。

男性3名・女性8名の方に配布できました。

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皆さん、思いがけない訪問者に喜んでいただけました。

(けいたん)

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2024年10月09日

マルシェ開催・メガネ配布のお知らせ(10月13日@能登町・三波公民館)

日本リザルツでは、能登半島地震における復興支援として、眼鏡市場さんのご厚意により老眼鏡をご寄付いただきました。

この程、能登町・三波公民館で開催されるマルシェへ出展し、老眼鏡を配布させていただきます。

日常生活で予想以上に文字を読む機会が増えているかと思いますので、これを皆さまに差し上げたいと思います。

お一人ずつ度数を合わせてお渡しします。当日ブースを設けますので、ご希望の方は直接お越し下さい。

度数だけでなく、デザインもいくつかございます。お好みの眼鏡が見つかれば幸いです。

よろしくお願いします。



マルシェ開催概要

日時:1013日(日)、11001430

場所:三波公民館 三波公民館 - Google マップ

*老眼鏡配布用のスペースをご用意いただきます。


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...
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2024年10月07日

イゼルディン・アブラエーシュ医師来日

ドキュメンタリー映画にもなった「それでも、私は憎まない」の著者として知られる、イゼルディン・アブラエーシュ医師が、現在来日中です。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/358499(10月4日付東京新聞)

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000376237.html(10月5日付テレビ朝日)


医師は、ガザ地区の貧困地域、ジャバリア難民キャンプ出身の医師で、パレスチナ人としてイスラエルの病院で働く初の医師となり、産婦人科でイスラエル人とパレスチナ人両方の赤ちゃんの誕生に携わってきました。そんな中、20091月にアブラエーシュ医師の自宅がイスラエル軍の戦車の砲撃を受け、3人の娘と姪が殺害されてしまうという悲劇が医師を襲いました。著書「私は憎まない」は医師のこうした経験に基づいて書かれた半生記で、平和と民族間の共存を強く訴えたものとして世界的なベストセラーにもなっています。

日本リザルツは何度か、この書籍をご紹介しております。

20140606日付ブログ「それでも、私は憎まない イゼルディン・アブラエイシュ」http://resultsjp.sblo.jp/article/99080636.html


日本リザルツとは、リザルツがキャンペーン事務局を務めている国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田局長を通じて親交があり、霞が関の事務所にもお越しくださいました。

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また、2014年2月に山口那津男公明党代表と会談の際には、白須理事長も同席いたしました。

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20140226日付ブログ「山口公明党代表とイゼルディン医師の会談」

http://resultsjp.sblo.jp/article/88365600.html

この来日の時には、アブラエーシュ医師の記念講演会“「憎まない」生き方”がなかのZEROホールで開催され、UNRWAの清田保健局長、チェルノブイリやイラクで医療活動を行う鎌田實医師も登壇されました。

20140217日付ブログ「『それでも、私は憎まない』著者来日」



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アブラエーシュ医師は、「ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒の赤ちゃんの違いは?みんな同じく生まれたての赤ちゃんだ」「すべての人の平等、正義、自由の上に共存は可能である」と、共存が可能であることを自らの医療で体現してきた方です。


イスラエルとハマスの紛争は泥沼化し、長期化と紛争の拡大が止まりません。二つの民族が平和的に共存する道は探れないものか。一日も早く平和が訪れることを願ってやみません。





タグ:ガザ
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2024年10月03日

藤波館、竣工!

藤波館、竣工!みなさん、お待たせいたしました。

リザルツの能登における拠点第一号の「藤波館」がリフォームを終え、このほど完成いたしました。

先日の大雨で少し、工期が伸びましたが、無事竣工の運びとなりました。

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1階は、10畳、6畳の洋室が各2室計4室に、バス、キッチン、洗面、トイレ2基、2階は8畳の洋室が4室から構成されています。

以下写真で館内をご案内します。


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1階の床の間(洋室)です。とてもゆったりしています。10畳の洋室が二間繋がっており、使いやすい構造です。いろいろな催しもできますね。

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床の間に隣接した仏間もきれいに修復されました。こちらも6畳が二間続きとなっています。

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襖もきれいに修復されています。修復には、良寛さまの言葉を書いた和紙をあしらっています。

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二階の寝室です。8畳の洋室が4室広がっており、壮観ですね。

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キッチンも一新されています。窓から緑いっぱいの景色を眺めることができます。

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お風呂も窓があり、快適で気持ちよさそうです。疲れも吹っ飛びますね。

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洗濯機も最新型が装備されています。洗面台のボウルもなかなかおしゃれです。

こちらの建物は能登町中斉地区に所在し、リザルツ職員、ボランティアの事務所兼宿泊所として活動の拠点になります。また、随時地元の方々にも開放し、さまざまな催しなども開催する計画です。

所在:石川県鳳珠郡能登町中斉ケ-4 (珠洲道路沿い;能登空港から11Km車で15分)

構造:木造2階建(1階:洋室4室、バス・トイレ・キッチン、2階:洋室4室)

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2024年10月02日

【資料&解説】セミナー「採択された国際租税枠組条約の草案:意義と今後」

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9月24日g-taxセミナ−A「採択された国際租税枠組条約の草案:その意義と今後のステップ」は、講師に青葉博雄・CNEO(Center for New Economic Order)代表を迎え、30人が参加しました。

■ セミナーで使われた資料

この時に使われた資料、1)国際租税協力枠組み条約を巡る交渉の状況、2)国連国際租税協力枠組み条約への付託事事項(TOR)議長草案(邦訳)を送ります。

※ 資料類はこちらをご覧ください: http://isl-forum.jp/archives/4379 

■ セミナーでの質疑を踏まえた青葉さんのコメントと解説

また、青葉さんの報告の後、質疑を行いましたが、この質疑を踏まえ、あらためて青葉さんから、1)国連審議での日本政府の役割、2)IFF(不正な資金の流れ)への取り組み、3)来年の「第4回開発資金国際会議」に向けて、というコメントと解説が寄せられましたのでお送りします。


《青葉博雄さんのコメントと解説》

1. 国際租税枠組条約および関連議定書に関する国連での審議における日本政府の役割について

国際課税原則の見直しに向け、OECDは租税委員会の下、2012年に「税源浸食と利益移転(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクト」を立ち上げました。この議論の大枠を纏めたのが、当時の委員会の議長、財務省の浅川雅嗣財務官(当時)でした。その後、2018年に同プロジェクトのフォローアップとして、「デジタル化に伴う課税上の課題−中間報告書2018」を発表、「BEPSに関する包摂的枠組み」における交渉を経て、2021年10月に合意に至りました。

その後、発展途上国を中心に課税権への再配分が不十分であるとの認識が広がり、アフリカ諸国を中心とする発展途上国から国際課税改革における議論の場を国連に移す提案が出され、国連は「国際租税枠組み条約」の交渉開始を決定しました。8月まで開催された「国際租税枠組条約付託事項に関する政府間特別委員会」において、日本政府は「OECD/G20包括的枠組み」の下での合意事項見直しに繋がる動きに終始反対の立場を取ってきました。

現在開催されている国連総会において年内に「付託事項」が決定し、同条約および議定書の交渉委員会を支える事務局の設置が決まります。そして、来年早々に条約交渉委員会に置ける議論が始まる見通しです。私は、日本政府に対し、「OECD/G20包括的枠組み」における合意に固執することなく、国際課税改革に関する豊富な知見を活かし、国連における議論において(ブレーキ役を果たすのではなく、)積極的に前に進める役割を担うことを求めていきたいと考えております。

2. IFF(不正な資金の流れ)への取り組み

今回のセミナーの中でIFFへの取り組みに関する有意義な意見交換がありました。現在、国際社会はIFFに対する取り組みとして次のようなことを行っております。(注:ここでのIFFには租税回避も含むとします。)

  1. 資金洗浄・テロ資金供与に対処を目的とするする「金融活動作業部会(FATF)」による取り組み
  2. 匿名の法的組織の真の所有者および金融口座情報の自動交換などを通しての租税回避対策を図るための、「 税の透明性と情報交換に関するグローバル・フォーラム」による取り組み
  3. 「税源浸食と利益移転(BEPS)」に対するOECDを中心とする取り組み
  4. 透明性があり責任ある資源管理を目指す、「採取産業透明性イニシアティブ(EITI)」による取り組み

今回の政府間特別委員会における審議において、2つ目の初期議定書のテーマの候補の一つとして「税に関係する不正な資金の流れ」が挙げられています。よって、2に関しては国際租税枠組条約および関連する議定書の対象となり得ると考えられますが、先ず既存の取り組みの強化が求められるものと思います。次に1の「資金洗浄・テロ資金供与への対処」についてですが、国際的税務取り決めによって対応が図られるものではなく、刑事案件としての取り締まりが中心となると考えます。

3.「第4回開発資金国際会議」に向けて

来年6月にスペインにおいて、第4回開発資金国際会議(Ffd4)が開催されます。既に私が入っているFfDに関する国際的市民社会グループにおいても、国連のプロセスへのインプットの準備が始まっております。過去の開発資金国際会議において、SDGs実現に資する国内資金動員(DRM:Domestic Resource Mobilization)の増大を図る方策の一つとして国際課税改革の重要性が強調されてきました。詳しくは『国際人権ひろば(2022年03月発行号』に掲載された拙論をご参照ください。開発資金国際会議における議論の行方も注視する必要があると考えます。



※写真は、国連一般討論で演説するナイジェリア副大統領のカシム・シェティマ 氏(9月25日)
 ⇒国際租税枠組条約の必要性を訴える

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

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